雲ノ平８９．８．２０

雲ノ平（２日目）　１９８９．８．２０

薬師沢小屋の外のテーブルで朝食を作って食べ、小屋前の黒部川に架かる吊り橋を渡り、
雲ノ平目指して登る。樹林の中の急登が続く。　雲ノ平の一角、アラスカ庭園に登り着くと、
黒部五郎岳、笠ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、祖父岳、水晶岳、遠くに白馬岳、立山、薬師岳
の北アルプスの山々が見えてくる。雲ノ平を歩いて行くと三俣蓮華岳の左に槍ヶ岳が顔を見
せた。湿原を歩き祖母岳からの展望を楽しんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．

雲ノ平山荘は素通りし、雲ノ平のテント場に来たが、時間もまだ早く、昨日の岩魚釣りの味が
忘れられず、祖父沢を下って黒部源流へ向かった。かなり下って祖母平の草深い湿原を通り
黒部源流に出た。黒部川を登山靴を脱いで徒渉し、釣りをしたが、小さな岩魚が１匹釣れた
だけで、残念ながら、釣りもあまり楽しめなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．

時間も遅くなるので、釣りを止め、五郎沢を黒部乗越目指し遡る。五郎沢は左俣を行くのを
間違えて右俣を行ってしまい易いという、ガイドブックに惑わされ、左俣手前の左の沢を登っ
てしまった。沢はハイマツに覆われるようになり、少し広い草原に出ると回りはハイマツに囲
まれ、上は急斜面で残雪があった。残雪まで登ったがその先はハイマツに覆われていた。
進退窮まり、天気も悪く薄暗くなってきた。テントがあるので、ビバークすることとした。残雪も
あり、水の確保もできた。　たった一人のビバークは、これぞ山旅と思わされる。　心細くも、
大自然の懐に抱かれた心地よさ味わいながら、しみじみとした夜を過ごした。　　　　　　　．